プラントの設備にDXがもたらすもの

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プラントの設備にDXがもたらすもの

石油価格が流動的になっている現在、石油ガス業界の多くの企業は、利益の確保と競争力の強化に注力し、成長よりも効率性や運転の改善に力を入れています。これは特に、既存設備について言えます。

たとえば、コロナウイルスによってエネルギー需要が減退し続けている中で、BHPはそのような集団から抜け出して設備の評価損を回避することに成功しました。その要因の一つは、設備の多くは老朽化しているものの、その種の既設プラントは低コストで生産を行うように最適化されているため、BHPが1バレルあたり約10米ドルで石油を採取できるということです。1バレル43米ドルという現在の石油価格では、これによってBHPは引き続きかなりの利益を得ることができます。

正確な情報へのアクセスの向上
データは、既存設備の最適化の要とも言えます。

新規の現場とは異なり、既存設備の運転に関する重要な設備情報は、依然として紙ベースで記録され キャビネットに保管されています。効率的な運転管理のためには、これらの情報を電子化し、中央情報管理システムによって体系化することが不可欠です。

デジタル化とデジタル革命が重要な役割を果たすのは、ここです。デジタル化は、情報をアナログからデジタルに変換するプロセスであり、ワークフローの自動化や書類作業の最小化などを指します。一方、デジタル革命は、デジタル技術やデジタル化されたデータを利用して、業務の実行方法を提供することです。

我々はさまざまな業界のお客様のお話を伺い、依然として多くの人が設備情報の検索や検証に多くの時間を費やしていることを知りました。

これは、既設プラントの要員がサプライヤ、ベンダー、エンジニアリング パートナーなどから定期的に届く文書や図面といった大量の非構造化データの処理に苦労しているためと思われます。実際に、情報が古すぎて役に立たない場合や現場の状況と一致しない場合もあります。

では、単一の電子ドキュメント管理システム(EDMS)から、過去のデータだけでなくリアルタイムの情報にも簡単にアクセスでき、そのシステムをプラント現場の担当者から経営幹部まで誰もが利用できたらどうでしょうか。このシステムに、3Dモデルやレーザー スキャン、高品質な構造化情報を含む統合運転システムを含めれば、特定のプロセス ユニットや機器に関する重要なデータをすぐに利用できます。

プロセスの最適化と知識移転
ARCアドバイザリ グループによれば、予定外のシャットダウンの42%は誤操作が原因であり、そのうちの16%は手順上のミスが直接影響しています。ベテランの従業員をチームに加えると、価値を最大化するための柱がオペレーター間の適切な知識の移転であることが明白になります。テクノロジーを取り入れて、作業者が運転方法の標準化と効率の向上を実現できるツール、プロセス、システム設計などを組み合わせることで、広がっていく知識の溝を埋め、ヒューマン エラーにるダウンタイム発生の可能性を低下させることができます。

3Dシミュレーションにより、エンジニアや管理者は、プロセス設計やエンジニアリング ワークフロー、全体的なプラント オペレーションをテスト、分析、検証、改善することができます。このようなツールにより、新規プラントと、シャットダウン後に稼働を再開する既存プラントの両方で、迅速なスタートアップが可能になります。

設備のライフサイクル管理の改善
インダストリアルIoT(IIoT)の発展から生まれた新世代のデータ分析ツールおよびソフトウェアは、既存設備の保守を事後的ではなく予知的なものにしました。この一例として、EskomのMatimba発電所(南アフリカ)と弊社との提携があります。弊社とLeica Geosystemsが作成したウェブベースの環境では、特定の機器に関連するプラント ドキュメントにアクセスする必要がある保全技術者は、HDレーザー スキャンを操作するだけで機器を視覚的に特定し、ジオタグをクリックして、すべての関連情報に素早くアクセスできます。

たとえば、技術者がP&IDにアクセスすると、関連する他のタグに移動してP&ID内のホットスポットをクリックするだけで、目的の情報にアクセスできます。つまり、使用可能なタグ、ドキュメント、タグとドキュメントの関係のすべてを、インテリジェントにナビゲーション可能な統合システムから使用できます。

これにより、きわめて重大な事故につながる可能性がある予定外の問題を検出することができ、それによって数百万ドルもの計画外のコストを防ぐと同時に、運転や安全性も改善できます。また、物理的なインフラストラクチャ資産をリモートで監視できる機能は、別の形でも安全性を高めます。たとえば、遠く離れた現場や危険性が高い可能性がある場所にスタッフが行く必要性を減らすことができます。

経費ではなく投資
設備が長年にわたって問題なく稼働している場合、現状を変えたくないと思うのは無理もありません。特に現在のような厳しい経済状況にあって、なぜお金をかけて、確立され受け入れられている作業方法を根本的に変える必要があるのでしょうか。

産業界のリーダーたちには、現在の市場重視の効率主義、コスト管理、収益性などの課題に取り組むことが求められていることは間違いありません。それでも、既存設備でデジタル化とデジタル革命を最優先するアプローチを採用するようにエグゼクティブ チームを後押しすることで、かなりの利益を収めることが可能です。放置による損失が災害につながる可能性がある状況では特にそれが言えます。
今すぐお問い合わせください。既存設備の運転における価値の解放を弊社がどのようにお手伝いできるかご説明します。

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タイ ウェイ ウォング
タイ ウェイ ウォングは、Hexagon PPMの石油ガス業界担当ビジネス開発コンサルタントです。専門は、ソリューション アーキテクチャ、エンジニアリング データ管理、アプリケーション アーキテクチャ、エンジニアリング設計ツール、プロセス コンサルティングなどです。マレーシア、クアラルンプール在住。

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